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忙しい飼い主でも今からできる!愛猫のストレスを減らす3つのポイント

忙しい飼い主でも今からできる!愛猫のストレスを減らす3つのポイント

こんにちは。獣医師として日々さまざまな猫ちゃんを診察している熊谷です。今回は、朝早くから出勤して夜遅くに帰宅するような忙しい飼い主の方に向けて、留守番が多い猫ちゃんのストレスを減らすためのポイントをご紹介しますね。日々の参考になれば嬉しいです。

1. 猫のストレスサインを見逃さない

まずは愛猫が出している“ストレスサイン”に気づくことが大切です。猫は犬に比べて感情が読み取りづらいといわれていますが、以下のような行動や状態変化が見られるようになってきたら愛猫がストレスを感じている可能性があります。

  1. 食欲不振・食欲の急激な増減
    • 食べムラや急に食べる量が増えたり減ったりする場合、ストレスや病気のサインであることがあります。
  2. 毛艶や被毛の状態の悪化
    • 被毛がパサパサしたり、毛づくろいが過剰または不足したりすると、精神的な負担が原因の可能性もあるんです。
  3. 攻撃的になる(威嚇、噛み付く、ひっかく)
    • もともと穏やかな性格の猫でも、強いストレスにさらされると攻撃的になる可能性もあります。
  4. 隠れたがる・ひとりになる時間が増える
    • 普段は人と一緒にいるのが好きな子でも、ストレスを感じると隠れることが多くなる子はいます。
  5. 大きな声で鳴き続ける・夜鳴き
    • 特に飼い主さんが外出しているときや夜間に鳴き続ける場合、留守番ストレスによる不安があるかもしれません。
  6. 粗相やイタズラの増加
    • ストレスがたまることで、普段はしない場所で粗相をしたり、家具やカーテンを壊すなどのイタズラが増えることがあります。こうした変化は猫なりのSOSと考えてもらえるといいんです。
  7. ストレス性膀胱炎による、排尿回数の増加
    • 猫は、環境の変化や精神的な負担でも膀胱炎を引き起こしやすい動物です。
      これをストレス性膀胱炎といい、排尿回数が増えたり血尿が見られる場合がある。早めに気づいてあげることも

これらのサインを見つけたら、まずは今の生活環境を見直してあげることが大切です。室内飼いであっても、猫が快適に過ごせる工夫をすることでストレスを軽減しやすくなってきます。

2. 不在時の環境づくり

(1) 安全対策:事故やけがを未然に防ぐ

忙しい飼い主さんの場合、猫が長時間ひとりで過ごすことになりますから、まずは安全対策を整えてくださいね。部屋の中に転がっている小さい物を誤飲しないよう片付けたり、家具の隙間に挟まってしまうリスクを減らしたりすることが重要ですよ。

例えば、スコティッシュフォールドに関しては、関節の問題を抱えやすい子もいるため、登り降りがしやすいようにステップを設置してあげるなどの配慮をしてあげましょう。また、他の猫にも応用が可能です。

リンク:折れ耳が可愛い!スコティッシュフォールドの特徴と遺伝的なリスク

(2) お留守番中の快適さ:空調や居場所の確保

留守番中の猫は空調の影響を受けやすいので、夏は冷房を弱めに設定す、冬は部屋全体を暖めすぎないなど、体温調節ができる環境を整えてあげましょう。お気に入りの寝床や隠れられる場所を複数用意しておくと、猫が安心して過ごしやすいですね。

(3) 自動給餌器や給水器の活用

留守番の猫は食事と水分補給が不安定になりがちです。自動給餌器を利用すれば、決まった時間に適量のフードをあげられます。とくに食べ過ぎや空腹を防ぎたい方には便利なアイテムですよ。給水器も循環型のものを導入すると、常に新鮮な水を確保できるのでおすすめですね。

3. 遊び方・運動不足解消のヒント

(1) 短時間でもOK!忙しい飼い主さん向けの遊び

「仕事が忙しくて一緒に遊ぶ時間が取れない…」という方でも、短時間集中型の遊びを取り入れるだけで運動不足を解消しやすくなります。レーザーポインターや釣り竿型のおもちゃを使って、1回5分~10分程度の遊びを1日に数回行うだけでも猫のストレスは軽減されていきます。

(2) ITガジェットの活用:留守番中も遊べる工夫

最近はスマホアプリと連動したカメラ付きおもちゃや、自動で動くボール型ロボットなど、ITガジェットが増えています。飼い主さんが外出先から操作できるものもあったりするので、愛猫の様子を見ながらリモートで遊ぶことも可能になりました。ただ、機械音や動きに慣れない猫もいるので、短時間だけ使用し様子を見てあげてください。

(3) キャットタワーや知育トイで飽きさせない

キャットタワーは上下運動が得意な猫にとって絶好の運動スペースになります。高い所が好きな猫の本能を満たすことでストレスを減らし、見晴らしのいい場所で留守中もリラックスできるんです。また、知育トイなどを導入すると、フードを探し当てる遊びができ、飽きにくくなりますね。

こうした工夫が、愛猫の運動不足やストレスの対策としておすすめです。

4. くまさん動物病院では定期的な健康診断を推進してます。

定期健康診断の重要性

「忙しくてつい健康診断を後回しにしてしまう…」という方も多いですが、猫は不調を隠しやすい動物なので、年に1~2回の健康診断が理想です。遺伝的な骨や関節のトラブルが多い猫種は、早期発見がなによりも大切です。定期的なチェックを受けることで、ストレスの原因となる慢性的な痛みや病気の兆候も見つけやすくなります。

くまさん動物病院では、これらを組み合わせた健康診断コースを設けておりますので、ぜひご利用ください。

5. まとめ

ここまでの内容を簡単に振り返ります。忙しい飼い主さんが、留守番の多い猫ちゃんのストレスを軽減するために押さえておきたいポイントは以下の通りです。

  1. ストレスサインをチェックする
  2. 安全で快適な留守番環境を整える
  3. 短時間の遊びをこまめに取り入れる
  4. キャットタワーや知育トイなどで飽きさせない
  5. 動物病院での行動学的アドバイスと定期健康診断

特に忙しい飼い主さんほど、猫に向き合う時間が限られてしまうため、その分、環境づくりと短時間でも集中して向き合う工夫が大切です。対策をしっかり行い、猫と飼い主さん双方にとってストレスの少ない生活を作ってあげてください。猫は、飼い主さんのちょっとした気遣いを感じ取ってくれる素敵な動物です。ぜひ参考に、猫の快適な生活のために取り入れられるところから始めてみてください。

くまさん動物病院 熊谷

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Q往診をお願いしたい場合、どのように予約すればよいですか?

A予約は、お電話または当院の公式ウェブサイト、公式ライン、e-mailから予約可能です。

Q診察時に必要なものはありますか?

Aペットの普段の食事内容や過去の診察記録、健康診断結果があればご用意ください。また、保険適用に必要な診断書はお渡し可能ですが、申請手続きについては、オーナー様ご自身でお願いいたします。

Qどのような検査ができますか?

A血液検査、尿検査、皮膚検査、鼻や尿のカテーテル設置、各種ワクチン接種が可能です。必要に応じて、点滴や注射、緊急対応も行います。詳しくは診察時に獣医師にご相談ください。

Qペットが嫌がる場合、診察や処置はどうなりますか?

A無理に診察や処置を行わず、ペットの負担を最小限に抑えられる方法を検討します。必要であれば、飼い主様にもご協力をお願いすることがありますのでご安心ください。

Qペットが急に具合が悪くなった場合、すぐに来てもらえますか?

A緊急の場合は、まずお電話で症状をお知らせください。状況に応じて、最短で往診できるようスケジュールを調整します。ただし、診察中などで即対応が難しい場合もございますのでご了承ください。

Q往診でもワクチン接種や定期健康診断はできますか?

Aもちろん可能です!往診時に、ワクチン接種や健康診断のご希望をお伝えください。事前に予約いただくとスムーズに対応できます。

Q多頭飼いの場合、診察をまとめてお願いできますか?

Aはい、多頭飼いの場合でも一度の往診でまとめて診察することが可能です。それぞれのペットに必要な診察やワクチン接種を個別に行いますので、詳細はご相談ください。

Q診察後、薬が必要な場合はどうなりますか?

A診察時に必要なお薬を処方いたします。その場でお渡しすることが多いですが、特殊な薬の場合は後日お届けする場合もございます。